言語
ヒンディー語・ウルドゥー語・ヒングリッシュ:混ざった話し言葉で音声翻訳がつまずく理由
ヒンディー語やウルドゥー語に英語を混ぜて話す人は数多くいます。音声翻訳がその混ざった話し言葉でつまずく理由、ヒンディー語とウルドゥー語の選び方、役立つ6つの習慣を解説します。
- リアルタイム翻訳
- 言語ペア
- ヒンディー語
- ウルドゥー語
- コードスイッチング
「Kal ki meeting reschedule kar do」(明日の会議の日程を変えて)。デリーやラホールでは、こうした文を2つの言語だと意識せずに口にする人がたくさんいます。ところが音声翻訳に任せると、「meeting」が発音の似たヒンディー語の単語に変わってしまうことがあります。なぜそうなるのか、ヒンディー語とウルドゥー語で何が違うのか、そして混ざった話し言葉をリアルタイム翻訳に通すための習慣を説明します。
ヒンディー語やウルドゥー語に英語を混ぜるのは普通の話し方
言語学ではこれをコードスイッチングと呼びます。1つの会話の中で、ときには1つの文の中で言語を切り替えることです。ヒンディー語ではヒングリッシュとして知られています。2025年のヒングリッシュ音声データセットの著者は、2億5000万人以上が言語を切り替えながらコミュニケーションしていると推定し、特に都市部やその周辺で一般的だと述べています。
ウルドゥー語の話し手も話すときは同じで、チャットではウルドゥー語をラテン文字で書く人も多くいます。これがローマ字ウルドゥー語です。主にくだけたメッセージや SNS で使われ、標準的な綴りはありません。
どちらの習慣も間違いではありません。仕事の言葉(meeting、deadline、file)、テクノロジーの言葉(phone、password、update)、そして数字は、ヒンディー語やウルドゥー語の文の中で日常的に英語で言われます。それを避けないと動かない翻訳ツールは、実際の話し方には合っていません。
混ざった話し言葉で音声翻訳がつまずく理由
音声翻訳は、まず音声を文字にし、その文字を翻訳し、結果を読み上げるか表示します。間違いのほとんどは最初の段階で生まれます(全体の流れは音声から音声への翻訳の仕組みを参照)。
1文につき1つの言語。 多くの音声認識は、ひとまとまりの発話に対して言語を1つ決め、それを維持します。設定がヒンディー語なら、文の途中の英単語もヒンディー語の音や単語のパターンに当てはめられるため、発音の似たヒンディー語の単語が選ばれたり、その単語が抜け落ちたりします。
学習に使える音声が少ない。 音声認識は録音された音声から学習しますが、混ざった音声より1つの言語だけの音声のほうがはるかに多く録音されています。2025年の HiACC データセットの研究者は、言語が切り替わる発話では音声認識の誤り率が相対的に約30〜50%上がると報告しています。
間違いはそのまま伝わる。 翻訳は、音声認識が聞き取った内容を忠実に訳します。「reschedule」を聞き違えれば、相手には別の内容の文が自信たっぷりに届きます。
ヒンディー語かウルドゥー語か:同じ話し言葉、2つの文字
話し言葉のヒンディー語とウルドゥー語は互いに通じます。日常の話し言葉は共通で、改まった語彙が異なります。ヒンディー語はデーヴァナーガリー文字で、ウルドゥー語はナスタアリーク体のウルドゥー文字で右から左に書きます。
翻訳ツールにとって、実際の影響は2つです。
- 出力言語は読む人で選ぶ。 ラホールの店主はウルドゥー文字を、プネーの同僚はデーヴァナーガリー文字を読みます。音声の翻訳はどちらでもたいてい理解できますが、字幕が役に立つのはその文字を読める人だけです。
- ローマ字は出力の選択肢ではない。 リアルタイム翻訳は一般に、ヒンディー語をデーヴァナーガリー文字で、ウルドゥー語をウルドゥー文字で表示します。ローマ字ウルドゥー語しか読まない人には、文字を読む代わりに翻訳音声を聞いてもらいましょう。
混ざった話し言葉をうまく翻訳させる6つの習慣
文の骨組みの言語を選ぶ。 文法がヒンディー語やウルドゥー語で、一部の名詞だけが英語なら、話す言語としてヒンディー語かウルドゥー語を選びます。ほぼ英語で話し、ときどきウルドゥー語が入る程度なら英語を選びます。
英語の用語は区切らずに言う。 「reschedule」は一息で言ったほうが、「re... schedule」より認識されやすくなります。用語の途中で間を空けないでください。
考えの切れ目で間を取る。 短い間が、文が終わったという合図になります。言語を何度も切り替える長く続く文は、いちばん難しいケースです。
話すのは1人ずつ。 2つの言語で2人が同時に話すと、どんな音声認識にも難しくなります。
名前、数字、薬の名前を確認する。 音声認識がいちばん間違えやすく、しかもいちばん大事な言葉です。字幕で確認し、間違っていたら言い直すか綴りを伝えてください。
聞くだけでなく読む。 字幕には認識された内容が表示されます。字幕が間違っていれば翻訳音声も間違っているので、相手がそれに基づいて動く前に直せます。
よく使われるツールでのヒンディー語とウルドゥー語
Google のリアルタイム翻訳のヘルプページにはヒンディー語とウルドゥー語の両方が載っており、2人が交互に話し、翻訳は音声で再生されます。Google Meet の翻訳字幕にもヒンディー語とウルドゥー語があります(プランと制限はGoogle Meet の翻訳を参照)。
Mingle は60以上の言語の中でヒンディー語とウルドゥー語を、スマートフォンやパソコンのブラウザで翻訳します。どちらの人もアプリは不要です。ヒンディー語の字幕はデーヴァナーガリー文字で、ウルドゥー語の字幕はウルドゥー文字で右から左に表示されます。文の途中に英語の借用語が入ってもセッションは止まりません。1つのセッションは一方向に翻訳するので、相手が答えるときはセッションメニューから言語を入れ替えます。英語からヒンディー語と英語からウルドゥー語のガイドで、それぞれの組み合わせを詳しく紹介しています。
念のためお伝えすると、Mingle は私たちの製品です。混ざった話し言葉での比較の精度テストは行っていないため、Mingle が Google 翻訳や他のツールよりヒングリッシュをうまく扱えるとは主張しません。このガイドの習慣は、どのツールにも役立ちます。
出典
2026年10月23日に確認しました。
- Singh, Singh and Kadyan (2025), HiACC: Hinglish adult and children code-switched corpus, Data in Brief 62
- Agro et al. (2025), Code-Switching in End-to-End Automatic Speech Recognition: A Systematic Literature Review
- Wikipedia: ヒンドゥスターニー語
- Wikipedia: Roman Urdu
- Google 翻訳ヘルプ: リアルタイム翻訳で音声から音声への翻訳を聞く
- Google Meet ヘルプ: Google Meet で翻訳字幕を使用する
AIの支援で下書きし、Tabish Irfanが編集とファクトチェックを行いました。 記事の執筆・確認方針
よくある質問
音声翻訳はヒングリッシュを理解できますか?
多くの場合は理解できますが、1つの言語だけのときより不安定です。ヒングリッシュの音声データセットを作成した研究者は、言語が切り替わる発話では音声認識の誤り率が相対的に約30〜50%上がると報告しています。ヒンディー語やウルドゥー語の文中のよく使われる英単語はたいてい通りますが、珍しい用語、名前、素早い切り替えで間違いが集中するので、字幕で確認してください。
翻訳ツールではヒンディー語とウルドゥー語のどちらを選べばよいですか?
読む人に合わせて選びます。話し言葉のヒンディー語とウルドゥー語は互いに通じるので、音声の翻訳はどちらでも理解できることがほとんどです。違うのは字幕の文字で、ヒンディー語はデーヴァナーガリー文字、ウルドゥー語はウルドゥー文字で右から左に書かれます。ウルドゥー文字を読む人にはウルドゥー語、デーヴァナーガリー文字を読む人にはヒンディー語を選びましょう。
リアルタイム翻訳でローマ字のウルドゥー語やヒンディー語を表示できますか?
リアルタイムの音声翻訳は、一般にそれぞれの言語を固有の文字で表示します。ヒンディー語はデーヴァナーガリー文字、ウルドゥー語はウルドゥー文字です。ローマ字ウルドゥー語には標準的な綴りがなく、ツールが標準の文字を使う理由の一つになっています。ローマ字しか読まない人には、字幕を読む代わりに翻訳音声を聞いてもらいましょう。
翻訳ツールが英単語をヒンディー語の単語に変えてしまうのはなぜですか?
認識の言語がヒンディー語のとき、文の途中の英単語は発音の似たヒンディー語の単語と競い合い、そちらが選ばれることがあります。英語の用語を途中で区切らず、はっきりと言い切るのがいちばん効果的です。大事な言葉は字幕で確認してください。
Google 翻訳の会話モードはウルドゥー語に対応していますか?
はい。Google のリアルタイム翻訳のヘルプページには、ヒンディー語とウルドゥー語の両方が載っており、翻訳は音声で再生され、2人が交互に話します。リアルタイム翻訳の機能は国ごとに順次提供されているので、お住まいの地域のアプリで確認してください。
Mingle は英語の混ざったヒンディー語やウルドゥー語を扱えますか?
Mingle は60以上の言語の中でヒンディー語とウルドゥー語を翻訳し、文の途中に英語の借用語が入ってもセッションは止まりません。比較の精度テストは行っていないため、混ざった話し言葉を他のツールよりうまく扱えるとは主張しません。1つのセッションは一方向に翻訳します。相手が答えるときは、セッションメニューから言語を入れ替えてください。
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